第149章 結衣姉さん、どうして来たの?

翌朝。

11組は朝の自習中だった。そこへ橘礼子が勢いよく教室の扉を押し開ける。

ぐるりと一周見回したかと思うと、まっすぐ橘結衣の席へ。

近づいてくる女を見て、結衣は一瞬固まった。

橘礼子?

こんな朝早く、何しに来たの。

「橘結衣、来なさい」

冷えた顔のまま、礼子は少女の腕をつかみ、そのまま外へ引っ張ろうとする。

「やめて!」

結衣は怯えたように振りほどき、眉をひそめた。

「……ちょっと、何すんの?」

黒い瞳には警戒と、見知らぬ相手を見るような距離が浮かんでいる。

まるで母親ではなく、厄介事を持ち込む狂人でも相手にしているみたいに。

礼子の胸に、かっと火がついた。

...

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